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東京打撃団は今年七月で結成九年目を迎える男性和太鼓集団である。会場の天王洲アイル・アートスフィアは満席。老若男女入り交じるが、若い女性の姿が多いようだ。
スモークが立ちこめる中、ゆるやかにカーテンが開き、ゴングやトーラを使った荘厳な雰囲気の曲『ガルーダ』 でライブは始まった。次の『MIYA-GO!』は名前通り五人が宮太鼓を打つ。力強さはあるが、始まったばかりで乗り切れていないのか、リズムの乱れを感じた。『螺旋律』
の早打ちは聴きごたえあり。『石敢當(さしび)』では二尺の宮太鼓を二人が両側から打ち合う。中腰の安定した体勢、二の腕の筋肉の盛り上がりに日頃の練習ぶりがうかがえる。アクロバティックなバチさばきや樽創作太鼓の音色が興をそそる『X(クロス)』、桶太鼓に鉦が絡む軽快な楽曲『楽歩(らっぷ)』では会場も手拍子で応える。ついで『天涯』では大太鼓と平胴太鼓が力強い音を聞かせたあと、篠笛を中心にタイゴングの金属製の音が絡む『いつくし』でなごみの時間をつくり、『連』は沖縄太鼓と宮太鼓でパワフルな展開。篠笛ソロ『川辺に咲く花』のあと、貯めた力を大太鼓、平胴太鼓に締太鼓を加えた『きざし』で一気に爆発させてフィナーレ。大きな拍手が起こった。
オブジェのような舞台美術も楽しみながらのライブはメリハリのある構成で、和太鼓の魅力を十分に感じさせたが、今回は新メンバーが加わって初めてのライブとのこと。そのためなのか、曲によってはバランスの悪さが感じられ、音のムラや力みが気になる部分もあった。基本ができており、もっと高いところへ行けるユニットである。惜しいと思う分だけ聴く耳、見る目も厳しくなる。
東京打撃団の魅力は男性六人の若々しいエネルギーが前面に出ていることだ。太鼓が好きだという気持ちも演奏から伝わってくる。さらなる修練によって、より完成度の高い演奏を聴かせてくれると期待している。
(全文/太鼓と人間の研究情報誌『たいころじい』第23巻より) |
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